頼られないしあわせ

毎回生徒さんたちに出してもらうレッスンノート。

先日、小5の生徒さんのノートに目を通したところ、

『実は私、卒業式の伴奏曲をずっと練習してまして、そのせいでレッスンのほかの曲がなかなか進んでいませんでした。
もっと早く伝えておけばよかったでしょうか?』

そんなようなことが書かれていました。

実はわたしがちょっと心配していた生徒さんでした。

発表会のソロ曲も、

『まだ見せられるレベルではありません』となかなかエンジンがかからない模様。ほかの練習曲にも時間をかけている様子は見られず、最近足踏み状態‥と思っていました。

そうだったんだ‥

「今日伴奏の曲は持ってきてるの?」

と聞くと、ある、と言う。

聞かせてもらいました。

弾き直しもなく、音の読み間違えもなく、ペダルもちゃんと入れて、

『最後までしっかり弾いている』

なんだ。
ちゃんと前に進んでいたんだね。

でもせっかくのレッスンなので、気づいたことを伝えました。

指づかいで気になったところもありました。うーん、今から直すのはちょっと大変か‥

「今回はこのままでいいけれど、この指づかいは良くない。次回からはこうして」

ここは直そう。そう言って、楽譜に指づかいを書き込んだ箇所もあります。

「1小節だけだからやれるよね」

何度か練習してもらい、あとは家で。

自分の持っているスキルを使い、生徒さんなりに仕上げていたことに感心しました。

レッスンノートの質問に答えます。

もっと早く伝えてくれなくていいです。この段階で見せてくれたこと、うれしいです。

いつの間にか、ちゃんと自分で歩いて行くようになっていた生徒さん。

『頼られないしあわせ』ってあるんだなと思いました。

この生徒さんが卒業式でピアノ伴奏する、ということは、卒業生の保護者として同じ式に参列する私にとって、心に残るシーンになります。

そっかぁ、◯ちゃんのピアノが聞けるんだ‥

レッスンノートに、

「卒業式、楽しみです!」

と書いたわたし。

ハンカチ持っていかなきゃ^ ^