見て!

中学年の生徒さん。今週のレッスンにて。

先週に引き続き、練習してきた曲。

楽譜に書かれた『rit.』という音楽用語を、わたしが鉛筆で丸く囲んでいる。

先週、これをやって、と言ったってこと。

でも『rit.』にしていない。

生徒さんが弾き終えてから、

「これ、なぁに?」

と鉛筆のところを指さして、聞いてみた。

もちろん、用語の意味を、です。

「見て」と即答した生徒さん。

「えっ?」

「ここを見て、っていう意味」

椅子からずり落ちそうになった。

降参しないらしい。

「で、なにを見て、なの?」重ねて聞いた。

「楽譜」

禅問答になった。

「そうなんだけど‥

この言葉はどういう意味?」

とうとう首をかしげた。

「わかりません」

やっと到着(^_^;)

何度も何度も同じ説明をする。

生徒さんが覚えるまで。

それが、わたしの仕事です。

さて『rit.』の意味。

ヒントは、昔話。

「‥そして、おじいさんとおばあさんは幸せに暮らしましたとさ。

おしまい」

これの読み方が『rit.』リタルダンド。

曲の最後に出てくることが多い記号です^ ^