鍵盤の重さ

先週の木曜日。

「新規の生徒募集はしていますか?」

というお問い合わせの電話をいただきました。

朝8時半くらいだったか。

家事がひと段落し、お茶でも飲もうかなと思ったとき。

ようするに、とてもいいタイミングでのお電話。

そのまま、

「今日の午後体験レッスンにいらっしゃいますか?」

とトントン拍子に話が進み、

体験レッスン後に、

「家族でゆっくり相談してから、よかったらまたご連絡ください」

とお話したら、

「いえ、今日伺う前から、こちらで始めることを決めて来ました」

そんなスピード感のある、新しい生徒さんとの出会い。

レッスン直前の問い合わせで、お話する時間がなく、結局そのままになることも。

自宅が仕事場であるから、営業時間があるような、ないような。

ご縁ってある、と思う。

昨日の初レッスンで、お母様が昔ピアノレッスンを受けていた時のお話を伺いました。

自宅の練習はキーボードだったとか。

先生のお宅ではアップライトピアノ。

練習したはずなのに、鍵盤の感じが全然違って、あまりうまく弾けなかったと。

さらに発表会ではグランドピアノ。

もっと弾けない。

ピアノがうまく弾けないことで、なんとなく嫌になってやめてしまった、というお話。

もう1組、週末にあった体験レッスン。

こちらは年中さんの男の子。

「子どもでも、この大きいピアノでレッスンするんですか?」

お母様の質問。

グランドピアノの鍵盤の重さを指摘されて。

わたしにとって当然なことが、保護者の方は不安に思うこと、を知りました。

わたしの教室に通っている生徒さんたち。

電子ピアノの方が多い。

キーボードもいる。

でも、子どもたちの口から、鍵盤の重さの不満を聞いたことがないのです。

みんなその場の状況に順応しているなぁ、という印象。

ピアノ、という楽器を選んだら、

「その時置かれているピアノの性格を知り、なんとか仲良くなって、精一杯の音を紡ぎだす」

のが演奏者のミッション。

自分の楽器を持ち運ぶわけにはいかないので。

生徒さんたちが大人になったとき、

「昔、レッスンのピアノ鍵盤が重くて(実際うちのピアノ鍵盤は重いほう)とても弾きにくかった」

そんな風に思い出すのかなぁ。。