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エッセイ

舘野泉リサイタル

本日日曜日の昼下がり、舘野泉さんのピアノリサイタルへ行ってきました。

演奏会中に脳出血で倒れ右半身不随となり、2年間のリハビリ生活から『左手のピアニスト』として復活。

現在でも世界各地で演奏会をおこなう80歳のピアニスト。よくメディアにも登場します。

両親、夫、息子そしてわたしとチケットを5枚購入。売り出し開始時間から電話をかけ、前から3列目の座席をゲットしたのでした。

両親を車で迎えに行くと、父は外出していました。

父の分のチケットがあることを両親はすっかり忘れていたのでした(><)

父へ電話をかけ続けましたが無反応。

受付に父のチケットを預け、ラインを送り座席へ。

ドレスで足が隠れていることが多い女性ピアニストと違い、舘野泉さんの靴が真正面に見える席で、ペダルと足が一体化した静かなペダリングが印象に残りました。

そしてふと横を見ると、父の席に誰かが座ってる!

あとから父が来たら…
このシーンとした場所で「座席間違えていませんか?」のバタバタは避けたい。。

わたしたちの座席は4人となり同士で、1人だけひとつおいた横。

そこに知らない人が座っていたということ。

となりの席なら、

「いや、ここに人が来ます」

って言えたけれど、演奏も始まっていて、間の人挟んでそれも出来ず。

休憩時間に席を立った母が、通りがてら声をかけると、

「自分の席に誰かが座ってしまっていたから」と真後ろの席に移動したおばさま。
3人組で仲よさそうに並んで座ってる。

まったく悪びれず、それがなにか?的な態度で^_^;

そして。

ピッピッと5秒おきくらいでしょうか、電子音が聞こえてきました。

これがいつまでも鳴りやまない。かすかな音ではあるけれど、気にしだすと気になる程度の音。

プログラムがすべて終了し、拍手の中舞台袖から、足の悪い舘野泉さんが楽譜を抱えて再登場。

「何度も出てくるのは大変だから2曲弾きます」

とアンコール曲の説明をはじめたところ…

女の人の声が後方から聞こえてきました。

この電子音、止めてください!
だれですか?

それまで全く気づかなかった夫は、その後から電子音が聞こえ出した、と言う。

おだやかな性格がにじみ出ている舘野泉さん。

説明を途中で中断されたにも関わらず、わたしには聞こえないのですが、そういうことになっているそうですのでよろしくお願いします、とニコニコお話され。

会場に流れる音を集中して聞いているピアニストが、あのピッピッに気づかないはずないと思いました。が、そこはオトナの対応。

アンコール中もずっとピッピッ。

きっとアラーム音。

わたしたちの推理を披露いたします。

雨だったから車で送ってもらったお年寄りではないか。

帰りはこれで電話して、と普段持っていない携帯を家族に持たされたのではないか。

ピッピッと鳴るアラームの止め方がわからなかったか、その音が自分が持たされた携帯の音と思わなかったか。

あーだこーだと夕食の時の話題になりました。

わたしのラインに父が気づくこともなく、空いたままだった座席。

おばさまたちの会話まで想像できちゃう。

今回の教訓。

チケットは預からず、各自で保管しよう。

ネタにはなりましたね^_^;