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エッセイ

上原彩子リサイタル

発表会からほぼ2週間になる今日、ふたたびコピスみよしを訪れた。

上原彩子さんのリサイタル。

チャイコフスキーコンクールで、女性として、日本人として、史上初めての第1位を獲得したピアニスト。

前から3列目。正面の席。

コピスの客席は斜めになっていて、舞台がどこの座席からもよく見える。

と思っていましたが、3列目ぐらいまではフラットだったのですね‥

正面なので、ピアニストの手は見えない。

ではペダリングでも見よっかな。

ところが。

前のおばさん(わたしよりもっと年が上な、わたしよりおばさん)の頭がチョイと邪魔。

わたしが右に頭を少し傾けると、あちらの頭でふさがれる。

今度は左。またふさがれる。

音楽学校の神経質な先生、とみた。

懐かしいデザインのぴったりワンピースをお召しになって。

この先生はひとりで来ている。

前列で、細かく頭を動かしているのは前の先生だけ。

熱心にペダルを研究しているらしい。

運悪く、この先生の後ろ。

もういいや。

人間観察はおしまいにして、純粋に音に包まれることにしよう。

上原彩子さんは、3人のお子さんのお母さん。

腕がきれいな小麦色。

夏休み、外でたくさん子どもたちと遊んだ腕。

ピアニッシモの繊細な響から、フォルテッシモのものすごい迫力。

こんな素敵な音を引き出してもらって、ピアノもうれしいだろうな、と思った。

数えきれないほどのピアニストの演奏会に足を運んだけれど、その中でもベストスリーに入りそう。

トークもない。演奏後のCD販売もない。

まさにピアノの演奏のみの直球勝負。

素晴らしさに圧倒された。

前の席の先生も、この演奏には感心したであろうと思う。

アンコールの1曲『トロイメライ』

帰ってから早速弾いてみた。

緑ワンピースの先生に叱られそうな演奏(>_< )