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エッセイ

駅ピアノ

『駅ピアノ』という番組があります。

NHK BSで日曜日のお昼、15分の短い番組。

駅に置かれたアップライトピアノに、固定カメラを設置し、駅利用者のピアノ演奏を流す、というシンプルな作り。

この番組を録画していたのは、夫。

今日初めて、ロサンゼルス版とチェコ版を見たのでした。

高校生から独学で始め、映画音楽を華麗に演奏する若者、傷害事件を犯し、刑務所の教会に置いてあったピアノで学んだ人、などなど。

ナレーターもなく、字幕のみで、いろんな人生を見せてくれる。

ピアノ教室に通う生徒さんたちは、いわゆる、ちゃんとしたステップを踏みながらの学習。

レッスンでは、姿勢から楽譜の読み方から、文字通り、手取り足取り一から教えていくわけで。

そんなステップを飛ばし、好きな曲を弾けるようにしていく人たち。

親御さんから見れば、そうやって弾けるようになるなら、教室なんて通わなくていいのに、と羨ましく思われるであろう。

先日、保護者のみなさまにアンケートをお願いしました。

ピアノ学習により、どんな力がついて欲しいか、練習でお困りのこと、練習に向かうための工夫など。

保護者のみなさまが、お子さまの練習にいろいろ骨を折ってくださっていること。

この番組を見たら、この労力は何だろう、と思われるに違いない(^^;)

私の幼少期を振り返ると、ピアノの練習が楽しい、と思ったことはない。

おまけに言うと、レッスンが楽しかった、という記憶もない(幼少期ですが)

やめずに続けてきただけ。

歩んできた道の途中で、ピアノが弾けることで世界が広がり、言葉が通じない国で、音楽を介して理解し合えたり。

その時その時の感動はあったけれど、

将来に対する意義を考えたことは、なかった。

私がピアノを小さな時から始めず、高校生になって耳コピで独学で学ぶタチ、とはとうてい思えない。

イライラしっぱなしだったであろう母に、感謝です。

そんないろいろを思った番組です。