バッハインベンションに取り組んでいる生徒さん。お茶目な性格の6年生です。
何週間も直らない指づかいと音。右手十六分音符のレミファソラ♭シ〜という速いパッセージを5→4という曲芸のような指づかいで弾き、音の間違えもそのまま‥
レッスンで同じところを何回も弾いてもらったり、赤ペンで書いたり、付箋貼ったり‥
でも次のレッスンの時にはまた元どおりの音とアクロバット。私も業を煮やし、
「ねぇ。ここ、どうしたら直してくれるの?」
ため息まじりに聞いてみました。
すると生徒さん、ケロッと
「ポイント2倍にするのはどうですか?」
今年の発表会前に「カラフルな楽譜」というブログを書きました。なかなか直らない箇所に付箋を貼って、出来たら剥がす。剥がした枚数分のスタンプを押す。毎回新しい色の付箋が貼られてしまうから、カラフルな楽譜にしないようにしましょう、という取り組みでした。
最近やっていなかった付箋作戦の復活も、ポイント好きのこの生徒さんのリクエストにより。
それでのポイント2倍発言に大ウケした私。
友人でもある生徒さんのお母様に、
「大物だわ」と話しました。お母様は
「先生に対してこのような失礼なこと言うなんて‥」ワナワナと震える指でスマホを打つ姿が見えてきそうな、そんなメール。
「私からも注意するけど、失礼な発言は笑わないで怒って」
と。お母様に告げ口したようで、生徒さんに申し訳ない気持ちになりました。
でも、この話はこれでおしまいではないのです。
ポイント2倍でいいから、変な音と曲芸を直してほしい私。
「それでもいいよ」
と提案をのみました。
「でもこれだと一方的な内容だから、直ってなかったらどうするかも決めよう」
「直ってなかったらポイントは消すとか」と生徒さん。
「今まで押したスタンプを消すってことね。オッケー」
‥‥ハイリスク、ハイリターンですね。
来週はスタンプと修正テープ、両方用意して、生徒さんを待ちます。
私も負けていないのです(^^;;
人生、そんなに甘くない。