そよ風のリボン

年長さんの生徒さんが、湯山昭作曲『そよ風のリボン』を弾きました。

おっよく弾けてる。

じゃあ合わせてみよう。

生徒さんのパートだけだとハ長調のメロディー。

ところが。

連弾になっている下のパートはイ短調はじまりでハ長調で終わる。
やさしい感じの曲と思っていたら、合わせると不思議な響きの、もの哀しい曲に変身。

そのあと別の楽譜をやってレッスン終了。

次の生徒さんのピアノを聞いていたら、子どもの泣き声が聞こえる。

「一緒に来ている妹さんかな?」

のぞいてみたら、レッスン終わったばかりの年長さん。

そよ風のリボンが悲しい曲だったから‥

が涙のわけ。

幼稚園生のレッスンは、小学生だったら1度言えばわかることを何度も何度も繰り返し、時間をかけて教えていくもの。

なかなか進まないことに、少々焦りながらのレッスンもあります。

お母様の気長な寄り添いに助けられ、
成長していく生徒さん。

こんな瞬間に立ちあえることも^ ^

しばらくすると泣きやみ、楽しげに帰り支度。

「さようなら。
ありがとうございました」
の声に、

「また来週待ってるね!」

わたしの顔を見たら、また大きな目に涙がたまってきた。

先ほどのもの悲しいメロディーが浮かんできたのか。

生徒さんの表情に気づかぬふりをして、お母様と目配せしてお別れ。

幼稚園生の感性がとっても楽しみ。